客が仲良くならざるを得ない料理店

By dachio, 2010年6月28日


中華街でもひときわ異彩な「天龍菜館」に行ってきました。
ググるとわかるが食べログの評価が5点満点の3.7点で、「最高の中華の味です!!」とかある。
これをうのみにしてはいけない。


ここは味がどうこうではなく、普通の店ではできない体験ができる店なのだ。
はじめ食べログを信用して家族で行ったら、外見からあやしい。
入り口に「インターネットで大絶賛のお店です」とかの手書きの大きな看板があっていきなり残念な感じがしたものの入ってみる。
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店内はこんな「村祭りの打ち上げ会場」だった。
私らが入ると同時に先客の男女が釈然としない表情で出て行ったのでいやな予感がした。
そのうちおじいさんがやってきて、注文を聞くが、しきりに「おまかせもありますよ」というのにおされて一人三千円でおまかせにした。
隣に座っていた男性2人組が、「まあ、味は悪くないな」「このインターバルさえ我慢できればね」などなど、小耳に入る会話からわかったのは、
・おじいさん一人で料理を作っている
・そのせいか、料理と料理の間に30分ぐらいかかる。
・そのせいか、ほとんどのお客さん(私らが入ったときは5人いた)はおすすめを頼んでいる
・味はうまい。。しかしとびきりうまいというほどではない。。。
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たしかにこのチャーハン、塩加減は絶妙だ。そんなに待たなければ満足だが。
先の男性2人組は、なんと3時間いて、料理は5品だとか。へえそうなんですか、とかなんとか自然にお客通しで話がはずみ、次は何分かかりますかねぇ、とか話したり、どうしておじいさん一人なんでしょう、長年つれそった妻を最近亡くされたんでしょうかとか想像をめぐらせたり、そのうち勝手に冷蔵庫からビール出したり店内のラジカセでCDかけたり。
この店は、お客さん同士が自然と仲良くなる、というか自衛のために仲良くならざるを得ない。
店を出るとき、入れ違いにうれしそうに入ってきた夫婦になぜか申し訳ない気がした。
中華街で忘れられない体験をしたい人にはおすすめ。ただし一緒に来る人に寛容と忍耐と想像力が求められる。

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